非居住者のお尋ね対応をズバリ解説!

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前回に引き続き「国外送金等のお尋ね」への対応に関して、よくいただくご質問についてお答えいたします。

相談者:Aさん(日本国籍) 国際結婚をして長年海外に住んでいます。日本で不動産を購入するにあたり、海外に保有している夫とのJoint Accountから私の日本口座へ購入資金を送金しました。その後、「国外送金等のお尋ね」が日本口座の登録住所宛に届きました。

Q. 海外送金に関して日本ではどのような税金がかかるのですか?

海外送金自体に税金がかかることはありませんが、海外送金を利用した贈与があった場合は贈与税が課税されることになります。また、日本国内で生じる所得(例:不動産所得、事業所得)がある場合は、海送送金を端緒として税務署に所得税の申告漏れを指摘される可能性があります。

Q. 購入資金は私と夫の資金で拠出割合は50%:50%です。夫は外国籍で日本口座を持っていないので、私の日本口座に購入資金を全額送金しました。贈与とみなされて、贈与税が課税されることはあるのでしょうか?

購入不動産の名義を50%:50%の共有とされているのであれば、購入資金をAさんの日本口座に送金したとしても、贈与とみなされて贈与税が課税される可能性は低いものと考えます。

なお、購入不動産を賃貸して不動産所得が発生する場合は、納税管理人を選任して確定申告をする必要がありますのでご留意ください。

Q. 日本でも国外財産報告制度が導入されたとのことですが、海外居住者にも報告義務はありますか?また、「パナマ文書(Panama Papers)」問題を契機として、非居住者が保有する財産の情報を各国で交換する取り組みが始まるようですが、日本の不動産も対象となりますか?

2013年から年末時点で5,000万円超の国外財産を保有している場合は、その財産リストを税務署に提出する制度(国外財産調書制度)が始まりました。提出義務者は、原則、日本居住者ですので、非居住者のAさんが提出する必要はありません。

非居住者保有財産の情報交換について、日本は2018年に初回の情報交換を行うことを予定しています。情報交換はOECD策定の共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)に基づいて行われ、現時点では、不動産の残高情報は情報交換の対象とはされておりません。詳細はこちらをご覧ください。

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当コラムは2016年4月現在の税制に基づいて作成しており、読者の皆様のご理解を深めるために内容を簡素化している場合がございます。また、具体的な状況によって課税関係が変わる可能性がありますので、記載情報に基づいて行動される前に、弊所までご相談して頂ければと思います。

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