海外に投資用物件を持つ方の相続と節税対策

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海外関連の相続

海外駐在、移住、留学、国際結婚などグローバル化に伴い、相続事案も複雑になっています。有効な対策と事例をご説明しています。

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事例1 不動産オーナー

ケーススタディ①:不動産オーナーの相続対策事例

日本の不動産のみを所有している不動産オーナー様が、海外を利用してタックス・プランニングを行う場合に、考えられる税務スキームをご紹介いたします。

ご相談者(45歳)日本在住で日本国籍有

お父様(75歳)日本在住で日本国内に不動産を所有(取得価額5億円、時価20億円)

このままだと、多額の相続税がかかり半分以上の不動産を物納しなければならないため、何とか相続税の負担を軽減する方法を検討したいとのご意向です。

【現状の相続税】(平成25年度税制改正後の試算)
遺産20億円−{基礎控除3千万円+(@600万円×法定相続人数1人)}×55%(平成25年度税制改正大綱より:平成27年1月1日以後の相続分より適用)

シンガポール写真
  • ご相談者は、海外駐在の経験もあるため、海外移住することに抵抗は少なく、お子さん(12歳)の語学留学にも関心が高いため、英語圏を希望。
  • お父様は健康に問題無いとはいえ、高齢のため、将来の心配もあり、近場のアジアを希望。
  • また、シンガポールには、相続税や贈与税がなく、所得税も税率が低く(最高20%)、シンガポール国外の所得には課税されない(国外所得免除方式)うえ、シンガポール国内での投資所得は原則として非課税とされている。
  • この様な条件から、シンガポールに移住を決意
  • これからシンガポールのビザを取得、将来的には国籍を取得する予定。

【国際相続対策の視点】(平成25年4月現在)

  • 制限納税義務者は、日本国内に所在する財産のみに対して相続税・贈与税がかかる。
  • 制限納税義務者の要件
    相続人又は受贈者 :「海外居住」で「外国籍」
    被相続人又は贈与者:「海外居住(1年超)」は必要であるが「国籍」は無関係
  • 相談者の選択肢
    1、相談者がシンガポールへ移住して、シンガポール国籍を取得する。
    お父様もシンガポールへ移住する必要はあるが、1年超であればよく、国籍の取得も必要ない。
    *国籍法上、自らの意思で外国籍を取得した場合には、自動的に日本国籍を失います。外国籍を取得後、3ヶ月以内(海外在住の場合)に国籍喪失届出を提出し、日本旅券(パスポート)を返却します。提出先は、海外居住の場合には、住所地を管轄する在外公館となります。(在シンガポール日本国大使館)
    2、相談者がお父様とともに5年超、シンガポールに居住する(5年ルールの適用)。
  • お父様が高齢のため、これからシンガポールに移住し、5年超、シンガポールに居住するのは現実的には難しい。
  • 相談者は、シンガポール国籍を取得すれば、5年ルールを回避できるのであればと、シンガポール国籍取得(=日本国籍放棄)を決意し、まずは永住権を取得し、将来的に国籍の取得を目指す。
  • しかし、シンガポールの国籍取得の要件を調べてみると、永住権の取得後、 12年のうち、10年以上、シンガポールに居住することが必要となるため、 お父様が健在のうちに、国籍を取得することは不可能と判断。
  • そこで、他国の国籍取得要件を調べてみたところ、多くの国では居住要件が課されており、国籍の取得は容易でないことが判明。
  • しかし、調べを進めていくと、英国領の小さな国では、投資プログラムのなかで、市民権=国籍の付与を認めていることが分かった。
  • 多くの時間が残されていないことを考えると、投資は必要となるが、国籍の取得を行うこととした。
  • 日本の国籍法上、自らの意思で外国籍を取得した場合には、自動的に日本国籍を失う、と規定されているため、英国領の小国の国籍を取得したと同時に、日本国籍を失い、国籍離脱の届けを法務局に提出し、パスポートを返還しなければならない。
  • 実務上は、日本人が外国籍を取得したかどうかは、自ら届け出ない限り、日本政府が知る余地はない(外国籍を取得した後、日本政府に届け出をしない、二重国籍者は米国を中心にかなりの数にのぼっている)。しかし、これは明らかに法令違反であり、違法行為である。
  • 税務上、二重国籍者は、相続税法通達において日本国籍を有するものとして取り扱われるため、国籍法上は、自動的に日本国籍を喪失しているものの、日本国籍保持者として取り扱われる可能性が高い
  • また、英国領の小国の国籍が、果たして、日本法で想定している国籍と同義なのかは不明であり、いずれにしても、税務上、疑義が生じる可能性がある。
  • こうした税務上のリスクと節税による税務メリットを勘案した結果、英国領の小国の国籍を取得し、お父様とシンガポールへ移住することを決意しました。
  • しかし、お父様の財産はすべて日本国内の不動産であるため、制限納税義務者となっても、日本で相続税が課税されてしまうことになることから、第1ステップとして、まず日本国内の不動産を国外財産に変換する必要があります。
  • 選択としては、2つです。
  • 一つは、日本の不動産を第三者に売却し、現金化、その資金を海外口座へ送金し、国外財産にする。
  • もう一つは、日本の不動産を海外に設立した法人又はトラストに移し、国外財産にする。
  • しかし、日本国内の不動産は、先祖代々の土地にお父様が居住しており、また、不動産の半分以上が賃貸不動産となっているため、そのまま所有していれば毎年多額の賃料収入を見込めるほか、海外移住後にいつでも日本に戻れることを勘案し、できれば、外部に売却せずに、現状のまま所有しておきたい。
  • 日本の不動産を外部に売却せずに、所有し続けることは可能でしょうか。
  • 日本では、不動産オーナーが不動産管理会社をつくり、管理委託しているケースや法人で直接不動産を所有しているケースも少なくない。
  • 外部に売却せず、法人を利用して国内財産を国外財産化する方法の一つとして、日本の不動産を海外法人に売却する方法があります。
  • これは、不動産を日本法人に売却したケースと同じ課税になるが、海外法人が日本 の不動産を所有することになるため、国内財産であった日本の不動産が国外財産に 変換されることになります。
  • 上記を含め、相続対策をまとめると以下の様になります。

【相続対策のオプション】

課税 メリット デメリット
①国内不動産の売却 申告分離課税20%
(非居住者15%)
・現金化により国外財産化が容易 ・安定した不動産収入を失う
②海外法人へ売却 申告分離課税20%
(非居住者15%)
・国内不動産の国外財産化(海外法人株式)
・不動産安定収入の確保
・海外法人が日本で申告
・海外法人の維持コスト
③現状維持 相続税50% ・生前に手間・コストがかからない ・多額の相続税がかかる

【「②海外法人へ売却する」というオプションを実行した場合】

STEP1
被相続人(日本居住者)が100%オーナーとして香港法人を設立

STEP2
被相続人の個人名義の国内不動産(時価20億円)を香港法人に現物出資
→申告分離課税(20億円-5億円)×20%=3億円
※相続財産として課税された場合:相続税約9億円(法定相続人1人)

STEP3
被相続人所有の香港法人の株式(国外財産)を相続人(外国籍、シンガポール居住者)に贈与
→制限納税義務者のため、日本で贈与税は課税されない。
また、シンガポールでも贈与税がないため課税されない。

STEP4
香港法人は、日本で外国法人として不動産収入を法人税申告(税率30%)
→不動産の所有のみでPEがないことから、法人住民税の課税は原則なし
→個人が居住用として賃借している賃料以外は、20%の源泉徴収が必要
※不動産管理会社(日本)の銀行口座で入出金を管理

STEP5
法人税申告後の利益は、香港へ送金
→送金時には源泉徴収もなく、香港でもオフショア所得のため課税なし

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