建物の資産価値が下がりにくい海外の中古物件を利用した節税策が富裕層の間で広がっていることが、会計検査院の調べでわかりました。税の専門家は、行き過ぎた税逃れにつながるおそれがあるとして、対策の必要性を指摘しています。
会計検査院が平成25年の税務申告で海外に不動産を所有していた331人の高所得者を調べたところ、287人が減価償却費を計上していたということです。中には節税効果が高くなる償却までの期間が短い物件の購入を繰り返している人も確認されたということです。
会計検査院は、古い中古物件の資産価値が国内外で大きく異なることを踏まえて、より公平性を高めるような減価償却費の在り方を検討する必要があるとしています。
出所:NHK NEWS WEB(2016年10月28日)より一部抜粋
海外の木造中古不動産に投資して耐用年数4年で減価償却をとる節税スキームです。耐用年数を4年とするロジックは次のとおりです。
・中古資産を取得して事業の用に供した場合には、その資産の耐用年数は、法定耐用年数ではなく、その事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができます。
・使用可能期間の見積りが困難であるときは、次の簡便法により算定した年数によることができます。
・簡便法 (1)?法定耐用年数の全部を経過した資産 その法定耐用年数の20%に相当する年数
・木造建物(店舗用・住宅用のもの) 法定耐用年数22年×20%→4年(1年未満切り捨て)
当局の動向を注視する必要がありますね。