相続税申告漏れ、海外関連が最多に 13事務年度
今年6月までの1年間(2013事務年度)に実施した相続税に関する税務調査で、海外関連の申告漏れが124件(前年度比9.7%増)で、統計を始めた01事務年度以降、最多となったことが18日、国税庁のまとめで分かった。海外関連の調査件数は753件、申告漏れ総額は163億円で、いずれも最多だった。
国税庁は背景として「納税者の資産運用が国際化している」と指摘している。
国税庁によると、遺産のうち申告から海外資産を除外した約1億5千万円の財産隠しが租税条約に基づく情報交換で発覚し、約6600万円を追徴課税された調査事例があった。遺産相続をめぐり、遺族が海外預金約600万円の存在を知りながら申告から除外していたとして、約240万円を追徴課税されたケースもあった。
出所:日本経済新聞(2014年11月19日)より一部抜粋
オーストラリアなど一部の国との間では、租税条約に基づく海外金融資産の情報交換が活発に行われており、弊所にも海外資産の相続税及び所得税の税務調査対応に関するご相談が寄せられています。
今後導入が予定されている海外口座の情報交換制度により、税務当局が把握する海外口座情報は質・量ともに高まることになるため、過去の申告に海外財産や海外財産所得の記載がなかったケースなどでは税務調査が行われる可能性が高いと予想されます。
従来型の国外への資産隠しを狙った税務対策は無駄となり、今後は税務当局に国外財産を全て把握されるという前提で合法的なタックス・プランニングを行う必要があると考えます。国外財産の申告漏れがある方は、この機会に自主的に申告することを検討されてはいかがでしょうか?
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>>未申告の海外相続財産への対応は、こちらをご覧ください。
>>海外相続財産を日本に送金する場合の注意点は、こちらをご覧ください。
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当コラムは2014年11月現在の税制に基づいて作成しており、読者の皆様のご理解を深めるために内容を簡素化している場合がございます。また、具体的な状況によって課税関係が変わる可能性がありますので、記載情報に基づいて行動される前に、弊所までご相談して頂ければと思います。