非居住者でも事業承継税制の適用は可能か?

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平成30年度の税制改正において、事業承継時の贈与税・相続税の納税を猶予する事業承継税制が大きく改正され、10年間限定の特例措置が設けられました。この改正により、納税猶予の対象となる非上場株式等の制限(総株式数の3分の2まで)の撤廃や、納税猶予割合の引上げ(80%から100%)、雇用確保要件の事実上撤廃など がなされた特例措置が創設されました。これまでの措置よりも大幅に使いやすくなっており、事業承継を実施する際には、最優先で検討すべき方法と考えております。

現経営者や後継者候補のご子息が海外在住の場合や外国籍の場合に、事業承継税制の適用が可能かどうか? のご質問を受けることが増えております。

事業承継税制の適用にあたって、現経営者または後継者の要件として、日本居住者であることや日本国籍を有していることは求められておりませんので、適用を受けることができます。なお、事業承継の対象会社が外国会社である場合は、適用を受けることが出来ませんので、ご留意ください。

注意点として、後継者が非居住者であっても、事業承継税制の適用を受けることができるのですが、現経営者が非居住者の後継者に株式を贈与または相続する際、この株式の評価額が1億円以上の場合は、原則として、国外転出時課税制度が適用されることになります。具体的には、贈与または相続をした株式について、現経営者が後継者に時価で譲渡したものとみなされて、現経営者に所得税が課されることになります。なお、この所得税についても所定の手続きにより、納税猶予を受けることが可能です。

事業承継税制や国外転出時課税制度の適用については、豊富な支援実績がありますので、ご質問などありましたらお問合せいただければと思います。

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当コラムは2018年10月現在の税制に基づいて作成しており、読者の皆様のご理解を深めるために内容を簡素化している場合がございます。また、具体的な状況によって課税関係が変わる可能性がありますので、記載情報に基づいて行動される前に、弊所までご相談して頂ければと思います。

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