海外銀行にマイナンバーの提出は必要か?

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海外銀行からの突然のレター!

海外の銀行や証券会社などから突然マイナンバーの提出を求めるレターが届いて、驚いている方は多いのではないでしょうか?日本ですら、預貯金へのマイナンバーの付番は2018年1月から任意で始まる予定ですので、これに先んじて海外の金融機関からマイナンバーの提出を要求されることへの驚きと、提出することへの抵抗感をお持ちになるのは当然のことかと思います。

背景としては、2018年9月から本格的に始まるCRS(Common Reporting Standard:共通報告基準)による情報交換があります。この情報交換に向けて、各国の金融機関が口座保有者の居住地国の確認をしており、口座保有者が非居住者であることを特定した場合、納税者番号(TIN:Tax Identification Number) として日本居住者はマイナンバーの提出が求められることになります。
そして、CRSによる情報交換により、日本居住者の海外口座情報(マイナンバーなど個人情報、収入情報、財産情報)が国税庁に提供されることになります。

居住地国の確認の流れ

金融機関が、口座保有者の居住地国を確認する流れは、①2017年1月1日以後に開設の新規口座 ②2016年12月31日以前に開設の既存口座で異なります。

①新規口座(2017年1月1日以後に開設)

口座開設者が金融機関に提出する届出書で居住地国が特定されます。したがって、現在、日本居住者が海外口座を開設する場合は、原則として、マイナンバーの提出が必要となります。

②既存口座(2016年12月31日以前に開設)

金融機関が口座保有者の居住地国を特定します。この場合、口座保有者が個人か法人か、個人の場合は契約金額が1億円超か1億円以下によって、居住地国を特定する手法が異なっています。なお、法人のうち、資産運用のためのペーパー・カンパニーなどは、その実質的支配者について居住地国を特定されることになります。

既存口座について、金融機関が口座保有者の居住地国を特定する期限は、情報交換の予定日に対応して次のとおりとなります。

◎個人口座

・2016年12月31日の口座残高が1億円以下の場合 2018年12月31日
・2016年12月31日の口座残高が1億円超の場合  2017年12月31日

◎法人口座

・2018年12月31日

既存口座について、マイナンバーの提出依頼に対応しない場合は、口座の強制的な閉鎖などの措置が取られることもあるようですので、対応については慎重に検討されることをお勧めいたします。

CRSの最新動向は、こちらのQ&Aをご覧ください。

2018年9月末に実施されたCRSによる情報交換(日本居住者の海外口座情報が国税庁に提供)を受けて、海外資産の申告をどのように対応するのがよいか?については、こちらのコラムをご覧ください。

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当コラムは2017年9月現在の税制に基づいて作成しており、読者の皆様のご理解を深めるために内容を簡素化している場合がございます。また、具体的な状況によって課税関係が変わる可能性がありますので、記載情報に基づいて行動される前に、弊所までご相談して頂ければと思います。

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