国外に口座と投資物件を抱える資産家の相続について、アメリカのプロベートを絡めてご紹介しています

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海外関連の相続

海外駐在、移住、留学、国際結婚などグローバル化に伴い、相続事案も複雑になっています。有効な対策と事例をご説明しています。

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事例2 日米に不動産と預金を持つ方

ケーススタディ②:アメリカと日本に不動産と銀行預金を数億円程度持つ方の相続

アメリカと日本に不動産だけでなく銀金預金も所有されている資産家の、相続に当たっての必要手続きと税額計算の流れをご紹介します。

サンフランシスコ写真

ご相談者

【条件1】 相続財産
■アメリカ
銀行預金 40万ドル(3,600万円:1ドル90円)
不動産  60万ドル(5,400万円:1ドル90円)

■日本
銀行預金 1,000万円
不動産  3,000万円

【条件2】 法定相続人
配偶者と子供2人(長男、長女)

1、相続税の申告納税

相続財産が日本とアメリカにあるため、両国において相続税の申告が必要となります。日本とアメリカでは相続手続きや税制が大きく異なるのがポイントです。

被相続人の死亡からアメリカでは9ヶ月以内、日本では10ヶ月以内に申告納税する必要があります。また、アメリカでは連邦政府以外に州政府にも申告納税が必要となります。

2、相続手続き

アメリカではプロベートと呼ばれる相続手続きがありますが、通常、手続きが完了するまで2~3年ほどかかります。このプロベートが完了しないと、銀行口座の名義変更や引き出し、不動産の売却が出来ません。
そのため、アメリカでは6ヶ月間の申告・納税期間の延長の制度を利用するのが一般的です。しかし、日本では申告期限の延長は認められていませんので、一度、日本で概算額による相続税の申告納税を行うことになります。

その後、アメリカでのプロベート終了後にアメリカで申告納税し、再度日本で申告納税を行います。その際、プロベートで確定した財産、債務を基に再計算を行うとともに、アメリカで支払った遺産税について外国税額控除を適用し確定税額を算出します。

なお、当初申告において納税額が不足している場合、延滞税などのペナルティが追加でかかってきますので、アメリカでの手続きを早めに終わらせることがポイントになります。

アメリカの遺産税

2012年の相続税の統一税額控除は200万ドル(約1億8,000万円)になりますので、今回は、アメリカでの遺産税は非課税となります。但し、プロベート手続きのため、申告は必要となります。

日本での納税

日本では相続人が申告納税をする必要があります。

今回のケースでは、被相続人・相続人ともに日本の「居住者」ですので、「無制限納税義務者」となり、相続した全世界財産が課税対象となります。

国外の相続財産の為替換算については、被相続人の亡くなった日のおける、相続人が利用する取引金融機関が公表するTTB、TTSまたはこれに準ずるレートを適用します。従って、相続日のレートが1ドル90円だったとすると、今回のアメリカでの相続財産は9,000万円となり、日本の相続財産と合算すると1億3,000万円になります。

これを基に相続税の課税価格を計算します。
課税価格(千円未満切り捨て)=純資産価額(※)+ 相続開始前3年以内の贈与財産の価額 となります。

(※)純資産価額=相続または遺贈により取得した財産の価額+みなし相続などにより取得した財産の価額―非課税財産の価額+相続時精算課税制度に係る贈与財産の価額―債務及び葬式費用の額=となります。

ここで、課税価格が1億3,000万円だったと仮定して、課税対象額は以下のように計算します。(平成25年度税制改正後の試算)

課税価格の合計額(1億3,000万円)-基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数[3人])=課税遺産総額(8,200万円)

配偶者の相続分:1/2
子の相続分:長男1/4、長女1/4

配偶者は、配偶者控除(1/2又は1億6千万円までの取得)がありますので、相続税はかかりません。

長男、長女は、法定相続分の割合により取得したものとして、相続税の計算を行いますので、課税遺産相続8,200万円×1/4=2,050万円が課税対象額となり、2,050万円×15%−50万円=257.5万円が算出税額となります。実際に、長男、長女が法定相続分通り相続した場合には、それぞれ、257.5万円が納税額となります。


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